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| 助成金活用型→福利厚生リストラプラン 助成金活用研究会会長 社会保険労務士 竹内 陸 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 不況下の法人開拓/社労士の強みを生かせ 眠っているお金のかからない福利厚生プラン | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
前回,社会保険労務士の業務分野の中で, 助成金を活用した経営支援ビジネスの可能性 の広がりを説明しましたが,今回は,社会保険労務士事務所の経営者として,この助成金を 活用し,新規開拓をし,スポット及び顧問契約に結び付ける上でアプローチしやすく, かつ, 労務コンサルティングヘと導入しやすい助成金を取り上げたいと思います。 現在の経済環境の中では,一般論として, 経営者は,あらゆる経営資源(ヒト・モノ・カネ)の 再構築いわゆるリストラを断行し,この経営資源からは,もはや策が尽きたと思われている 経営者も多くいらっしゃることでしょう。 現に,この景気の悪さは相当なものとの認識は私にもあります。 しかし,我々社会保険労務士は,経営コンサルタントとして,お客様である経営者の利益を常 に念頭に置きながら,業務改善の提案を行い,会社利益の創造を実現していかなければ,経 営者から報酬をいただくことはできません。 この経済環境をお客様と共に嘆いていることは,事務所経営者としての我々の敗北を意味 します。 以上の認識の上で,私が日々の営業活動の中で活用している3つの助成金について,その アプローチからクロージングまでのプロセスを説明します。 まず,このストーリーに活用する助成金を概説しましょう。それぞれ中高年対策,家族介護, 従業員の財産形成といった労務問題の解決において,制度導入時に資金負担がないこと が共通点として挙げることができます。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 高齢期就業準備奨励金 高齢期の職業生活に向けた準備休暇創設 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
この就業準備奨励金とは,申請を行う当該事業主に継続して5年以上雇用されている45 歳 以上65歳未満の常用被保険者に対して,高齢期の職業生活に向けた準備を円滑に行わせ るために,表1の諸条件を満たした準備制度を,労働協約又は就業規則により設けた事業 主に支給される奨励金です。 表1 就業準備奨励金の受給用件
この条件をクリアしている事業主に対しては,営業上(スポット及び顧問契約に結び付ける上 でかなり有利なポジションにいると理解して下さい。 つまり,この就業準備奨励金の支給額が,いわゆる3号業務を展開する上での報酬額の理論 的裏付けとなります。この奨励金の支給額は表2で確認して下さい。 表2
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| 会社利益の創造とその活用法 就業準備奨励金の支給額からの展開 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
制度設計をし,該当者が休暇を取れば,表 2の支給額が会社に入ります。我々が提案したプ ランにより,新しい会社利益が創造されたわけです。 この利益は,社長さんの経営判断で使い道は自由です。 常日頃,社員に給料・賞与を支払い,社会保険料を事業主負担分と併せて,強制的に銀行口 座から引き落とされ,銀行借入に際しては,自宅を担保に取られ,借入に見合うだけ加入させ られた銀行紹介の生命保険も掛け捨てで,解約したらほとんど戻らない。 経済環境最悪のこの時期,社長さんを取り巻く環境を考えて下さい。 会社利益の創造を実現したコンサルタントに対して,いつも支払ってばかりいる社長さんは, どのような感情を抱くでしょうか? 『FOR YOUR COMPANY』の営業スピリットが我々の行動 の源となったとき,各種の提案に耳を傾けてくれるものと確信しています。 表3は申請必要書類の一覧ですが,管轄により,かなりニュアンスが違いますので,事前に問 い合わせをするのがよいと思います。 また,制度を作ってから2ヵ月以内の申請という期限がありますので,注意して下さい。 表3 就業準備奨励金申請必要書類
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| 財産形成貯蓄活用助成金 社員が払い出す財形貯蓄に上乗せ給付される | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
低金利時代が続く中,企業福祉の代表的な項目である社内預金は,相次ぐ金利引き下げと コスト削減の流れにより,廃止する企業が続出しています。 また,企業年金制度においても,適格年金,厚生年金基金,また中小企業退職金共済等の退 職金制度を含めて,新しい福利厚生制度の再構築というテーマが,会社存続のための既存 制度のスリム化と表裏の関係で,経営者の関心事となっています。 しかし,既存の制度を変更すること,まして廃止するなどの変革は,オーナー社長といえども 実行が難しく,なかなか手がつかないのが現状です。 いきなりこの分野に入っていくことは,いたずらに制度の混乱を招くだけでしょう。 では,相手企業の実態を知り,分析をする上でアプローチしやすい福利厚生制度とは, どん なものが考えられるでしょうか? 私は,財形貯蓄制度の新たな提案をしています。 その理由は,導入コストがかからず, 社員に馴染みが深く,かつ,不人気のこの制度の名誉挽 回策として,平成9年1月より財産形成貯蓄活用助成金制度が発足したからです。 昭和46年以降,残高は下降線をたどっていますが,この助成金の導入により,かなり魅力の ある福利厚生制度としてリニューアルされたと思います。 社員が支出した額に対し,事業主の支払った財形活用給付金の額により,財形活用助成金 の支給額が決まります。 通常,表4の太い部分の金額で給付金規定を作成し,財産形成貯蓄活用給付金制度認定申 請書にもこの金額を記入します。また,受給要件は表5のとおりです。 財産形成貯蓄活用給付金制度の設計は,右のフローチャートの手順で行います。 なお, 取扱先は各都道府県の雇用促進センターです。 表4 給付内容(中小企業の場合)
表5 受給要件
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| 財形貯蓄の効用 どの金融機関を選択するか/労災事故へのリスクヘッジ | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
この制度の導入により,資金が必要で解約する社員に対して,会社から給付金の提供が実 現します。この低金利の中,これだけ金利を生む金融商品はありません。 では,どこの金融機関の商品で一般財形を設計するか? 多くの企業は取引銀行で行っています。しかし,重なる福利厚生制度の再設計を目指すの ならば,損保財形を勧めます。 その理由は,財形貯蓄の残高の5倍の金額が, 傷害事故で死亡した場合に保険金として遺 族に支払われるからです。 我々が対象とする中小企業は,労災事故に対して,政府の労災保険以外にさしたるリスクヘ ッジの対策をたてていません。 社員への補償の面だけでなく,被災した社員からの使用者責任を追及する損害賠償請求に 対して労働協約又は就業規則に定めた財形活用給付金規定等の作成財形活用給付金制 度認定申請認定申請書及ぴ労働協約又は就業規則を雇用促進センターへも,本来きっち りとコンサルトすることが, 労災保険における唯一のプロである社会保険労務士の責務で はないかと思います。 財形は社員個人の資産の話ですが,会社として財形貯蓄の制度がないと,社員は加入でき ません。 会社がこの給付金の制度を作らなければ,社員に解約時のプラスは発生しません。 導入コストなしのこの制度を,労災の話を含めて分かりやすく伝えることができれば,この過 程で,特に車両を多く持っている会社や,労災事故の処理で困った経験のある社長さんに対 して,労災に強い,頼りになる社会保険労務士として,アピールすることができます。 我々は,スポット及び顧問契約を社長さんと交わすことが目的であり,財形の制度設計は,そ の手段であることを意識してストーリーを組み立てることが必要です。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 家族介護のための休業と勤務時間短縮制度 介護休業制度導入奨励金/介護勤務時間短縮等奨励金 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
育児休業法の一部改正により,平成11年4月1日より,育児・介護休業法に基づく介護休業 制度は,一律に事業主に義務付けられます。現在,事業主には,育児・介護休業法に沿った 介護休業制度及び介護のための勤務時間の短縮等の措置を設けるよう努めることが求 められています。 そして,介護休業制度を早期に導入した事業主に対しては,以下の奨励金が支給されます。 表6
介護休業の奨励金は,みそ汁のだしと同じ これがないと3号業務の契約に結び付かない 介護休業の奨励金は,家族介護の対象者が生じないと受給できず,この制度設計だけを ストレートに社長さんに進めても,まず契約できません。 しかし,クロージングの時,社長さんにサインをいただくためには,必要不可欠の奨励金で す。その理由とは? こちらが提示するコンサルティング料金を値引きなしで通すための隠し味。そんな役割 で私は活用しています。 つまり,「対象者が生じるかどうか分からないが,制度の認定を受けていないと,せっかく 対象者が生じても受給できません。 この制度設計は,@介護休業の規定作成,A協定書作成,B監督署への届出,C女性少 年室への認定申請,といった作業が必要であり,面倒だがやっておけば,もしかしたら奨励 金が受給できます。」と説明し,「次に挙げる見積り(下記参照)の中で, この価格を通して いただけるならば,介護の制度設計は価格に含めます。」とクロージングをかけます。 迷っている方も,ここで決めてくれる場合が結構ありました。 現在の問題点をインタビューによってあぷりだし, 解決のプランを自信をもって提示する 今回,説明しました助成金の共通点として, 次の3点が指摘できます。 @必ず就業規則の変更や届出が発生する。 A制度の導入にコストがかからない。 B社員のためにという大義名分がたつ。 ここで,簡単な見積りを作ってみました。
社員30人の会社であれば(1)より休暇取得者がでれば123万円。(3)より介護休業者及 び勤務時間短縮の利用者が生じれば115万円。就業規則が古ければ全面見直し。 東京都社会保険労務士会の就業規則作成報酬は,規定で20万円です。 この見積りで,お客様と真剣勝負すると約 2時間かかります。 ここで必ずクロージングします。OKが出れば委託契約書を交わします。 社判と委託契約書は必携です。助成金を活用した営業は,この真剣勝負の繰り返しです。 3号業務からのアプローチ。導入コストゼロ!福利厚生の再構築。 皆さんは,この見積りにいくらの価格を付けて提示しますか?
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